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昂真秀
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見習トゥルバトール
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妄想
自己紹介:
昔は錬金術師を志していたが、現在は吟遊詩人を夢見ている。
最近は『思考するハムスター』『黒髪ロングの狸』等々好き勝手に呼ばれております。
Blong Pet
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姉様と


BL小説書こう

という実もふたも無い話をして書き始めたら


BLのの字も出ない感じになりつつ・・・

うん、頑張る、頑張るよ某は・・・

と凹んでますけど、一応書いたのでうPしてみました。

興味の無い方はスルー。

興味のある方は下記をクリックして下さいませ


題名は・・・まだ決まってないんですけど

示道館学院 最初の事件

とかどうでしょうか。
でも最初にすると中等部の事件が書けないなあ・・・うーん。
不運は桜と共にが良いか。それにしよう。

て・・・・・・・・


BLはどこにいったよ・・・



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貴顕紳士(きけんしんし) 空空寂寂(くうくうじゃくじゃく)

校門で一例をし、まずこの四字熟語二つを口にした後に挨拶、という変わった光景が見られるのはこの学院独特の風潮であろう。

示道館学院

古くは藩校で、現在は中高一貫教育の歴史ある男子校である。

全寮制、というわけではないが、八割の寮生に通い、または近くに居を構えている生徒が二割。

ほぼ全寮制といっても過言ではないだろう。

街中よりやや離れた小高い丘から海を臨む風光明媚な土地とは聞こえがいいが、若者には限りなく刺激が少ないよう設置された場所にあり、
校門まで行き着くには長い橋を渡るという時代錯誤な作りである。

隣の県の都心迄上手くいけば一時間半、普通に行けば二時間前後という近いのか遠いのかいまいちよくわからない微妙さではあるが、
保護者としても変な誘惑が多い都心よりも良いという考え方と、生真面目な校風で文武両道を掲げ続ける歴史に安堵して子弟を預けているのだ。

四月。

薄桃色と白い桜の花びらが花筏を橋のたもとに作るのを見ながら新入生が海風に髪を煽られながら歩いて来る。

その様子を寮の窓から眺めながら行儀悪く頬杖をついて、同室のお土産陣太鼓を美味しそうに頬張り「かわいいねえ」と呟いた瞬間頭に硬い物があたった。

「何をしとるか。顔が馬鹿のように呆けて情けない!早く片付けをしろ」

手厳しく言う今年一年同室の男の慣れた顔を見て、はいはい、と頷きダンボールのガムテープをびりびりと勢いよくはいで床に置くと再度の叱責。

「厳しいなあ。菊池よお、そんなガミガミすんなやあ」

「入寮初日にぼやっとするお前が悪い。床に塵を置くな!菓子を喰ったらはいだ紙は捨てろ、荷物を開ける前に床をはわけ!」

相も変わらずの厳つい顔に太い眉、しっかりした体付きのこの男は菊池正樹。

剣道部の輝けるホープと共に皆に知られた義侠心あふれる石頭である。

そしてその正反対とも言える同室のこの男。

籠手田修司、少し長めの髪に色素の薄い肌、眼の色。まるで混血のような優男である。

「終わったら俺の菓子も喰おう、茶を入れてやるから」

菓子、に耳を済ませた菊池は振り返り「カスドースかカステラか」と低く呟く。

この男、見かけによらず甘党なのである。

「カステラにした。多湖はカステラの方が好きだろうと思ってお前にこっそり一箱あるから暫くは夜食が楽しいぞ」

そうか、とほんのり笑い菊池は軽々と籠手田のダンボールをベッドにほおり、床を嬉々として掃き始めた。

「雑巾俺が片付けてくるな、それから・・・」

「帰って来る頃にはダンボールを開けれるから早くして来い」

ありがとなあ、と元気に部屋を出て流し場へ向かう途中見かける顔は見知った顔が六割といった所か。

籠手田の姿を見て手を振る者、にやり、と笑うもの、足をかけようとする者様々で一人一人楽しげに応対しながら流し場まで来ると、
そこに居たのは線の細く色の白い艶やかな黒髪間から切れ長の瞳でこちらを見つめる・・・


「有馬!」

「籠手田君、おはよう今朝来たの?」

「おはよう、今朝も今朝だよ。波が高くてね、こればっかりは仕方ないんじゃないかな。有馬と同室の安徳は半島だからあいつも今朝だったろ?」

「うん、今さっきついた」

「来て早々に有馬をこき使ってやがんのかあ?あいつ後で俺が懲らしめてやるからな有馬!」

有馬が抱えるバケツを奪い中にある雑巾を絞って丁寧に渡せば口元に手をやりくすくすと笑う声が草花のそよぐ音に似て目元が緩む。

「あーあ、俺が有馬と同室なら上げ膳据え膳してやるぜ?今からでも遅くは「お前が上げ膳据え膳できるもんか!それにお前に俺が懲らしめられる、もんかっ」
安徳の腕がにょっきと伸び籠手田の両腕を掴むと三木はいとも簡単にギブアップの悲鳴を上げた。

「ったく。調子にのんなっての。有馬悪いな。重かったろう?」

「平気。籠手田君大丈夫?」

「だいひょうぶひゃないれふ・・・」

楽しそうな三人がじゃれあっている横から

あのう、と遠慮がちな細い声がして三人は振り返る。


「僕も、・・・使っても良い?」

有馬が細いならこいつは薄い。

貧相な体付きに根暗がハッキリと顔に出ており、やや猫背気味の低めの身長で下からの視線で伺うように見る陰湿といっていい同級生の顔を見るなり籠手田は手に持ったバケツを奪い、
肩に手を回す。


「あずきぃ元気してたか?今年もよろしくな!水汲んでやるよ」

「いや、いいんだ、僕は自分で、て籠手田君、話聞いてよ・・・」

慌てたように眉間に皺を寄せた痩身の肩を戻して籠手田が鼻歌交じりにバケツの水を交換し始めるのを溜息一つで諦めてあずき、と呼ばれた彼は有馬と安徳の方に視線を向けた。


「お、おはよう」

「おはよう秋月君」

「はよ、あずき」

微笑み久しぶりだね、とやわらかく付け足したのは有馬で、この薄暗い同級生に慣れた口調で軽く言うのは安徳。

あずき、というのは彼、秋月済(あきづき わたる)の渾名であり、教師さえもあずき、と言ってしまうほどに浸透した呼び名である。



ほいさ、と声を出しバケツに汲んだ水を持つと籠手田は安徳見てにやり、と口角を上げた。


「安徳がいるなら有馬に重い物持たせたりはしないよな?」

「当たり前だろう」

籠手田が指し示したバケツを持ち有馬に行こう、と声をかけると軽く手を振り二人は仲良く背を向けて歩いて行った。




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