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昂真秀
性別:
女性
職業:
見習トゥルバトール
趣味:
妄想
自己紹介:
昔は錬金術師を志していたが、現在は吟遊詩人を夢見ている。
最近は『思考するハムスター』『黒髪ロングの狸』等々好き勝手に呼ばれております。
Blong Pet
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夜鳴短編。

ほんとう思いつきでどうしようも無いです。

いつも蕗田嬢の所で月さんが出張行ってるので今回は蒼が出張行ってきました★

最近、大きな栗の木下でを歌ったら「君が歌うと卑猥に聞こえるよ★」とか言われて凹んでるわたくしで御座います。
そんな言われて凹んで呑んでまして、気が付いたら指と顔を少し何故か切って目が覚めたら枕カバー台無しでした。

何したんだろう、私

あ、●たん、迷惑かけてたらごめん。
でもこないだの君の激しさといったらアレな感じだったので、おあいこにしていただけると嬉しゅうございます。
最近呑むと泣くのは何ででしょうねえ。日本酒2合って別に多い量じゃないじゃんねえ(直ぐに酔っ払うはた迷惑な人です)

あ、遅くなりましたが前後編です

題名は

「月に見ゆ華、白磁に映ゆる」です



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シワノズリ、ジャポニズム。

日本を題材とした展覧会は大盛況をはくしたという。


ツテのツテを辿ってやって来たイギリス貴族の邸宅の一室には優美に輝く乳白色の壮麗な一室に入る。
そこには夢にまで見た光景があり思わず感嘆の息を漏らし、案内をして主人を振り返ると紳士らしく鷹揚に頷く。

「なんて、素晴らしい!」

今回の渡来はこの部屋を見に来たというよりも、商売が主で来たのだが、依頼された品を主人に見せて聞かれるがままに解説をした所主人がいたく気をよくし、君に是非見てもらいたいものがある、とこの部屋へ案内したのだ。

「この部屋に君が持って来た伊万里が加わる」

「ええ、ええ!なんと調和のとれた美しさでしょう、ここは白鷺の間といいたい程です」

「白鷺?確か日本に白鷺城という城があるというね」

「ええ、真っ白な美しい鳥で白鳥よりも細い・・・そうですね、真っ白な枝垂れ桜を思い出してください、それが翼を持ち広げ優雅に舞うのです。そんな名称が良く合います事!伯爵、貴方の審美眼は夢のよう。美しい物を側に置くならばそれなりの資格が必要と常々思っておりました、正に貴方様はそれに相応しい方・・・嗚呼どうしてあの品を持ってこなかったのでしょう、秘蔵の品があるのですがきっとお気に召していただけるものがありましたのに!あれは貴方様が所有するに相応しい品です」

熱弁する蒼をにこにこと見守って、紳士らしく手を差し出す。

「貴女とはお会いするのは初めてだというのに、今私は何故貴女と会う事が今まで出来なかったのかと不思議でなりません。誠、残念です。ですがそれはこれから埋めて行けばいい事。こんな年寄りでよろしければ貴女の友達にしていただけませんか?美しく年下のお嬢さん」

「サーウェルザー・・・」

「そんな他人行儀な呼び方ではなく、私の事はリチャード、と。貴女の事はセイ、と呼んでも?」

「勿論です!サー・リチャード!」

同類は国境も人種も越えるのだ。
それを体現した二人は違う性別にも関わらず友人となった。

上機嫌な主人、ウェルザー公爵は蒼を他の部屋にも案内し、更に別邸にもどうかと問い、酔ったような蒼は快諾する。
ウェルザー公爵には現在妻はおらず、夕食の席には今回蒼を紹介したウェルザー公爵の息子エイドリアンと甥のアーサーと四人の会食となった。

知己のアーサーはウェルザー公爵と蒼の打ち解けたというよりも既に近所にいるような悪巧み老人二人組みのような雰囲気に小さく笑っているが、不貞腐れた顔をしているのは息子のエイドリアンだ。
先刻から自己紹介の後は一言も口を聞かずむすっとした表情のままキドニーパイをやけくそのように口にほおりこんでは少しむせている。
何日か泊まっていきなさいという言葉にとうとうエイドリアンはカトラリーの音を強くたてて、は、と皮肉気に笑う。

「父上、黄禍論をお忘れか」

楽しそうに話をしていた蒼がピタリと動きを止めてエイドリアンは更に笑みを深くする。

「米国にボムを落とされて支配され少しはマシになったかと思ったがそのずうずうしさは変わらないようだな、まあ歴史の無い国に支配されるような猿共だし何より日本の女はイエローキャブというし。こんなどこの誰とも知れない女が邸に泊まると思うだけで吐き気がする」

俯いた蒼にエイドリアンは父に媚びる化けの皮が剥がれるか、泣き出すかどちらかと思って見ていると蒼はゆっくりとエイドリアンの方を見てぽつりと一言。


「35点」

「は?」

「ですから、そのエスプリの効いてなさは35点と言ったんです。赤点ですね。貴方もイギリス紳士ならばもっと教養のある皮肉を言っては如何ですか?
そうですね、身分違いの婚姻が破綻した身の程知らずがまた来たのか?それとも120年の安寧をと言った米国を見限って来るとはお吉さんが手を叩いて笑っていますよ!嗚呼全くその貞操の軽さはエリザベスⅠ世に聞かせたい・・・ぐらいいいましょうよ」

「120年の安寧?」

目を点にしたままのエイドリアンを見て、蒼はウェルザー公爵を振り返るとウェルザー公爵は「愚息ですまないね」と蒼のワイングラスに血の色のワインを注ぐ。

「前大統領がライオン頭の前の日本の総理に言ったんですよ、日本と米国は120年にわたる永きの友情を、と」

アーサーが笑いを堪えながら「皮肉なら最高だね」と促せばエイドリアンは軽く頷き、そんな彼に蒼はワインをどうぞ英国の未来の紳士様、とグラスを差し出す。

「素敵なお父様ですもの、嫉妬ぐらいするのは当たり前ですが、私のように英国紳士に憧れを持った者をがっかりさせるのはあまりよろしくないと存じますよ?」

受け取った気安さから媚びは感じず、エイドリアンは笑っているが実は窘めるか怒るかしようとしていた父の雰囲気に反省をし、年上の男としての落ち着きを持った従兄弟が君はまだ紅茶だね、とメイドに指示を出し蒼が差し出したグラスを手に取る。

「女性に暴言を吐くのは男ではない。それに彼女、蒼は私の親友良知の元妻だ。無礼はよしてもらおうか」

「はあ!?」


「エイドリアン!」

今度こそウェルザー公爵の窘めが入るがエイドリアンはそれどころではない。

「父上、ですが、この方はどう見ても私と同じかまたは下にしか!いったい幾つなんだ!!!」

「エイドリアン、女性に年齢を聞くのは失礼にあたる。彼女は特別だ、良知が自ら妻にと望み、スクールでも彼女の絵をいつも描いていた良知が唯一愛した女性、そして私の良き理解者で友人でもある。これ以上の彼女への無礼はいくら若輩者と言えどもゆるしませんよ」

低い地を這う声にエイドリアンの背中に冷たい汗が流れた。

「君は相変わらずかの黄金の国に居る友人の事となる目の色が変わるねえ、冷血な経営をすると有名なのに。それで彼女を紹介したわけだね、良知氏には私もお会いした事がある、アーサーが夢中になるのもわかる程美しい青年だったし実に美を理解していた、ああ確かに蒼、貴女と良知氏が居るのは絵になるね」

「勿体無いお言葉感謝致します」

目線にグラスを掲げて飲み干せば世界は甘く揺らぐ。

やがて一同は部屋を移動しソファへそれぞれ楽に腰掛ける。
流れる音楽は無伴奏チェロ。
先刻の事で気が抜けたのと酒が入ったせいでエイドリアンは襟元を寛げてミセス、と言うのは蒼が「セイで充分ですよ」と言うのを素直にではセイ、と呼びかける。
「俺にはあの部屋の価値もわからないが貴女は父と楽しそうにしている、何が楽しいのか・・・」

「子どもにはまだわからぬ道楽」

「違いありません」

アーサーが言うのに口を尖らせて抗議しようとするのをまあまあ、と蒼が口をはさむ。


「例えばアウグストⅡ世・・・」





中途半端ですが後編へ続きます
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