どうやって生きていけばいいのかわからなくなります。
例えば、ホウ、という風の音を聞いた時。
バタン、という強いドアの閉まる音。
静かに降る雨の音。
全てが何かに誘われるかのように、森へ海へ呼ばれているような、
閉じこもってこんな場所ではなく、もっと広くなんにもない場所へ、心が動く。
暗く、灰色の空の下、濁った水を反射した太陽を見ながら海へ漕ぎ出して、
そうして遠くへ町の明かりがなったとき、ゆっくりと両腕を広げてそのまま水にたゆたいたい。
空は怖い。
手が届かないから。
そういったものを甘美な琥珀色のアルコールでもってその扱いに相応しい扱いをせず飲み下し、全てを誤魔化すかのようにして斜めに見る。
ああ、なんという堕落、
なんという非礼。
罰をうけようにもこれ程の罪があろうか。
かようにも愚かしい者に美しい愛しい大地の腕が待っていようものか。
私は罪を待つ。
非業の死を遂げた者の恨みと切なさを持ってして、鉄槌が下るのをひたすら待つ。
卑怯者である。
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