微妙。
でも元気っすよv
姉様に会えて私は幸せですが、こう・・・人の間にいるのって苦手なんですよね。
どちらかといわなくても。
二人以上はたくさんの数で数えるお馬鹿さんなので。
今たくさんの人間と共にいるので少し息苦しかったり。
仕事は仕方ありませんが、それ以外はなるだけ少しの人間と共に過ごしたいなぁとか思ったり。
さて、この休暇が明けたら明るい話が出来るのか、それともウフフ、な暗い展開が待っているのか。
それはここ数日次第と申し上げましょう。
少なくとも、更新は出来ないですね。
クフフv
あと、疑問。三日連続のぐるぐる回っていたカウンターはなんだったのでしょう・・・今は普通に戻ってますけど。
何気にびっくりでした。
天矢の前の話です。
現在製作中で、公開するのが遅くなりそうなので、とりあえずという感じで(破鏡の話)。
頬を焼け付く光が反射して、軽い火傷をした時のようにひりつく。
破鏡は静かに上を見上げて、遠くの、夢のように遠くの空を乾いた瞳で見上げている。
丸く、切り取られた遠い夢の果てのような空。
石の積み上げられた、丸い、深い枯れた井戸の底のような、そんな孤独牢に一人、もう長い間たった一人で過ごした季節の中では、美しく移ろう季節の中見た光景や、友人達の笑顔。
新鮮な食材、色鮮やかな布が揺らめいて、舞う踊り手の伏せた視線。
日々学ぶ歴史、書物庫の埃のにおい。
輝かしかった季節は、いっそのこと、と思う程悪夢となって襲いくる。
いっそ、幸福な記憶さえなければ、もっと空虚な気持ちで絶望も知らず生きて逝く事が出来ただろうに、知ってしまったがゆえに生きる執着を覚えて浅ましくも生きているのだ。
灼熱の太陽が肌を焼く。
極寒の寒さが意識を奪う日もある。
最後に目にしたのは、自身の母と言われた女の浅ましくも美しい狂った姿。
長い黒髪を振り乱して、紅唇から漏れた美しい声はひたすら一人の名前を呼ぶ。
愛しそうに。
牢の柵の間から白く長い指が伸ばされて、破鏡の頬をねっとりとなでる。
そうして微笑むのだ。
「坊やお名前は?」
そっと昔教えられた、あそこには貴方様のお母上がいらっしゃいます。
それはそれは美しく、この国随一の巫女姫でいらっしゃいますよ。
そうして・・・・これは誰にも秘密です、と。
一目会いたくて、焦がれた母親は確かに美しかった。
「破鏡」
「ああ、破鏡。いいえ、背の君、鏡矢様、愛しいかた、やっと私に会いに来て下さった、迎えに来て下さいましたのね。
ずっとお待ちしておりました、鏡矢様が迎えに来てくださるのをここで紅はずっと、ずっとお待ちしてしておりました。」
女は、涙を真珠が転がるように流し、それは鈴の音をたてて薄暗い牢内で弾ける。
「は、は・・・うえ」
喉が渇いており、破鏡は混乱の極みにゆっくりと頭を振った。
「鏡矢様、お早くわたくしを攫って・・・わたくしをここから、この暗い国から出して下さいまし。」
白いたおやかな指先に心が跳ねる。
気がつけば、破鏡は牢の鍵を手元にあった簪を使い、開けてしまった。
ギイ、と音を立てて牢は久々に開かれた悲鳴を上げる。
「背の君。鏡矢様・・・」
甘美な声が破鏡を捕らえ、女の胸までしかない破鏡の体は簡単に囚われ、そうしてその体重を受け止めるまま、床へと倒れた。
「鏡矢様、鏡矢様・・・」
泣きながら女は自身の髪を乱し、衣服を乱す。
破鏡はわけのわからない恐怖と混乱で何がはじまるのか、されているのか理解できない。
女の手からは口からは何か呪いでも出されているのか、破鏡は女のされるがままとなり、破鏡の上の女が果てて、息をついた時、破鏡はやっと足の先から冷たい汗が噴出した。
ああ、恐ろしい。
体の奥底の命じるまま、破鏡は女を押しのけて、乱れた衣服を胸前で合わせて後ずさりながら悲鳴を上げた。
悲鳴は甲高い、まるで小さな女子のようなそんなか弱い悲鳴だ、と悲鳴を上げ続ける自身をどこか冷静に見ている。
女は不思議そうにきょとんと首を傾げて、鏡矢様、とか弱い声を出す。
「違う!僕は鏡矢じゃない、破鏡だ!母上!!!」
破鏡の顔には涙がとめどなく溢れ、もう目の前が何も涙で見えない状態なのだ。
「はは、うえ?」
「貴方は巫女姫を追放された、僕はそのきっかけとなった子どもで、俺は貴方が失脚したきっかけで!」
嗚咽を零しながら、果たしてこれは言葉になっているのかわからないあ言葉を破鏡は叫んだ。
「こども?」
まるで破鏡の存在を知らないと言わんばかりの紅に、破鏡はどこか、こころが壊れる音を聞く。
「母上!」
破鏡は伸ばされた手を避けるように更に後ずさった。
「はきょう・・・」
更に近寄る紅に逃げる破鏡。
破鏡は窓の近くまで這うようにして逃げ、紅はゆっくりと幽鬼のように近寄る。
窓のすぐしたの壁に体を押し付けて、伸ばされた美しい指先に破鏡は叫んだ。
「来るな、来るな、来るな!」
頭を抱えて、体を縮めて、それしかないかのように破鏡は叫ぶ。
「破鏡、ごめんなさい。」
指先は破鏡の頭をそっと抱く。
やわらかく、優しい感触に破鏡はちいさな雫を落とした。
ふと、顔を上げると既に腕は離れており、紅の見下ろす表情は穏やかだ。
「ははうえ・・」
紅が優しく微笑む。
「ごめんなさいね。」
そうして破鏡が目を見開いて、先刻とは違う絶望の叫びを上げたときにはもう、紅の体は緩やかに、どんな鳥が空を飛ぶより美しく、宙へと舞っていた。
「あ、あぁ・・・・・」
そうして、叫び続ける絶望と、切望の最中強く打たれ、引き回されて、そうして・・・・気がつけば一人ここへともう長い事いるのだ。